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ライオン株式会社

AIが実現!商標調査の均質化と効率化


はじめに

ハミガキ、ハブラシなどのオーラルヘルスケア商品をはじめ、洗剤、ハンドソープ等の日用品を中心に展開され、歯みがきの習慣づくりなどの長期にわたる啓発活動にも積極的に取り組まれているライオン株式会社様。

長く愛されるブランドを育てる企業が目指す、DXAI活用による商標調査の均質化と効率化について、知的財産部 ブランド知財グループ グループマネジャー 齊藤様、北濃様、坂本様にお話を伺いました。

是非ご一読ください。


(左)齊藤 様   (中央)北濃 様   (右)坂本 様 

※以下、敬称略


AI活用についてのお考えをお聞かせください

(齊藤)DXAIの活用は今後のビジネスにおいては必要不可欠だと認識しており、全社をあげて重点的に取り組んでおります。専門性が高く人に依存しやすい知財部門でも、AIを活用することによって、業務の効率化や均質化ができるのではないかと考え、活用できるところについては積極的に検討し取り入れています。

商標調査は、AI活用に特に適しているのではないか、より早く調査結果にたどり着くことができるのではないかと仮説を立て、それを実証し、実現できるツールを探していました。

(IP-RoBo)TM-RoBoをご検討いただいたきっかけは何でしょうか
 
(北濃)日本化粧品工業連合会(現:日本化粧品工業会)の商標委員会や知財・情報フェアで、TM-RoBoの導入企業様が活用方法や効果等についてお話されていたのを伺って、興味を持ちました。
その導入企業様が我々と同じ業界だったということから、我々も同様に活用できそうだということも検討するうえで大きかったと思います。
他のツールは特に検討しませんでした。

 



導入前の商標調査の課題はどのようなものでしたか


(坂本)J-PlatPatなどで商標を検索すると、何百件といったかなり多くの登録商標がヒットすることがありますが、担当者が目視で確認しているため危険な登録商標を見落としてしまうリスクがあるなと感じていました。

また、調査する人が自らの経験を頼りにリスクレベル(類似するかどうか)を判断しますので、調査部員の経験値の違いによって判断のずれが起こる可能性があるという点も課題に感じていました。

TM-RoBoが課題解決につながると感じられたポイントを教えてください

(齊藤)TM-RoBoだと、「これはまずいぞ」というポイントについては色分け等により見るべきところが明確にされます。
検索により抽出される商標が多ければ多いほど、人間が目視で確認していると段々目も疲れてきて集中力も欠いてきてしまいますが、そういった中で見落としのリスクを減らすことができるというのは大きいと思います。

あとは、文字結合商標をどこで分断するかというのも人によって差があったと思うのですが、そのあたりもAIが自動でやってくれるので、調査の均質化につながるポイントだと思いました。






TM-RoBoを具体的にどのように活用されていますか

(北濃)国内の文字商標調査については、TM-RoBoの商標検索機能を全件で利用しています。算出される各指標をすべて目安にしながら、人が最終判断をしています。 

(齊藤)私は、TMR(※)等が10%以下になっているところから見ています。90%以上になっていても、抽出商標がある場合は全件見ています。
色がついている注意すべき順に見ることで、抽出商標が多くても明らかに障害となる商標を発見した場合には早い段階で判断できるため、より効率的に進められると感じています。


※ TM-RoBoが算出する指標のひとつで、対象となる語の称呼におけるオリジナル性に関連する指標

 
 
ライオン株式会社導入事例 画像5.jpg



(IP-RoBo)AIによる各指標はどこまで活用されていますか
 
(齊藤)導入前の想定としては、数値がこれ以上だったらどういう判断をするか、という一律的な運用も想定していました。ただ、様々な要因もありますので数値により一律に判断するのではなく、算出された数値を確認したうえで人が最終判断するという運用を行っています。その場合も、これまでに比べて目安となる客観的な指標がありますので、調査の品質向上や調査の均質化、調査者の負担軽減などの効果を十分に実感しています。

TM-RoBoを活用して感じた変化はありますか

(坂本)体感として類似商標の抽出段階で負担が軽減したと感じています。

以前は、かなりの件数を目視で見るときには、見落としてはいけないという緊張感がありました。

TM-RoBo導入後は、AIが類似商標を抽出してくれますので、担当者による抽出ブレもありませんし、見落としへの怖さが少なくなったと思います。検索結果も似ている順に表示され、かつリスクレベルに応じた色分けもされているので、メリハリをつけて確認することができます。

 






ライオン株式会社導入事例 画像4.jpg



(IP-RoBo)実際に見落としに気づいたケースはありましたか
 
(坂本)J-PlatPatの検索結果では見過ごしていた商標が、TM-RoBoで確認した時に上位に抽出されていたことがありました。「あれ?私これ注意して見ていなかったかもしれない」ということがありました。J-PlatPatではその商標は結構下の方に出ていたので・・・

(齊藤)抽出される商標についても、結合商標の分割部分の違いで、実際に他のデータベースでは検索していなかったものが、TM-RoBoでは出てきたものがありましたね。


(IP-RoBo)他にも実感された効果はありましたか

(坂本)あとはやはり、結合商標の調査ですね。今までですと最初に結合商標を担当者自身で分断して、複数の組合せ語を考え、各商標をそれぞれ検索していましたが、TM-RoBoではAIが自動で分断してくれますし、組み合わせ語も作成してくれます。チェックを付けた組み合わせ商標を一括で検索できるので、かなり負担軽減になったと感じます。

 



ライオン株式会社導入事例 画像3.jpg

(北濃)私は、英文字の造語などでどのような読み方があるか迷う場合に、自分で想定した称呼とTM-RoBoで自動で付される称呼をあわせて検索しています。また部分一致検索とあわせて確認できるので安心して調査が行えています。


さいごに


今後のTM-RoBoに期待すること


(齊藤)語力統計指標(識別力に関する指標)もだんだんと、ユーザーの認識に近くなってきていると思うのですが、さらに業界特性なども踏まえた指標が出てきたりするとより参考にできると思います。

あとは、AIの特性として、使用される方が増えれば増えるほど、学習データも増えていくと思うので、そういったところで全体がブラッシュアップされていくと、より信頼性も増していくのではないかと思っています。

 


導入を検討される方に向けて、アドバイスがあればお願いします


(齊藤)弊社では、TM-RoBoを使うことによって調査の効率化や均質化が進んできたと思っています。昨今では人材の流動化により、過去の状況からずっと同じ業界で経験が蓄積してきた担当者ばかりではないという状況となる会社様も多いと思います。そういった会社様においても、TM-RoBoの導入を検討されるとよろしいのではないのかなと思います。

 


 取材日:2025年4月9日

今回のインタビューでは、AIを取り入れた商標調査のあり方について、実務の観点からお話を聞かせていただきました。
効率化と均質化を実現されているライオン株式会社様によるTM-RoBoの活用方法や変化の実感などをお話いただき、非常に学びの多い機会となりました。
ライオン株式会社の皆様、貴重なお時間をありがとうございました。

今後もTM-RoBoを導入されているユーザ様にインタビューを行う予定です。
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