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コラム

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商標調査の基本 #01「そもそも商標権って?」

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 商標調査AIツールTM-RoBoは弁護士・弁理士・エンジニアとさまざまなプロフェッショナルメンバーが集い、日々開発を進めているのですが、実は商標についてあまり知らないメンバーもいます。そこで、今回はこのプロフェッショナル集団の中で、「今更聞けない…商標調査の基本を聞いてみよう!」という企画の名のもと勉強会を行いました!

今回の先生は、以前J-PlatPatの検索範囲についてコラムでも執筆いただいた弁理士の中村先生です。私たち初心者にもわかりやすく丁寧に教えていただいた内容を、図とともにまとめています。内容が濃く、1回で収まりきらない…ということで、今後何回かに分けてお届けする予定です。

あまりにも基本的な内容からのスタートですが、ぜひ覗いてみてください。「そういえばそうだったな」なんて、おさらいもかねて。もちろん、私たちと同じ商標初心者の方々も大歓迎です!この連載を通して、一緒に学んでいきましょう。



<目次>




 

そもそも「商標権」って?
よく聞く「著作権」や「特許」とは何が違うの??
#商標権の親は「知的財産権」




商標権は「知的財産権」の中に分類される権利の一つです。知的財産とは「人の頭の中から生まれた価値ある情報(=アイデア・表現)」のことを指し、その知的財産を独占する権利が「知的財産権」なのです。その中で、産業で使われるものが「産業財産権」として、特許庁(経産省)が取り扱っています。そして、この「産業財産権」の中のひとつに「商標権」があります。ちなみに、「著作権」はプログラムなんかも保護されるのですが、主には絵や漫画、映画や書籍などの芸術的・文化的なものが対象です。こちらは文化庁(文科省)の管轄になります。


 

#4つの権利それぞれが保護するものは

 「特許権」と「実用新案権」は、保護対象が少し似ているので、今回は一つとして考えましょう。これらは、今までは技術的に難しかったけど新しく何か問題を解決できる、過去にあった問題を解決したというような“発明”や“アイデア”が対象です。最近だと、スマートフォンのような従来はできなかったことが全てアプリできるようになったのもたくさんの発明が使われていて、特許権や実用新案権でたくさん保護されています。


「意匠権」というのがモノのデザインを対象として、見た目を保護するものです。法改正により昨年から建物なども保護対象に含まれるようになりました。意匠権というのは、自動車やダイアモンドなどのデザインはもちろんですが、ナットなど工業的な部品のデザインも保護できるのです。


「商標権」はブランドのマークを保護するものです。商標と聞くと、よくニュースなどでは「言葉を独占して使えなくなってしまう」などネガティブな印象の内容を報じられていることがあると思うのですが、本来、商標権が存在する理由はそういった意味ではありません。法律の目的としては、あくまで「目印の権利」。自社商品と他社商品の“区別・識別”するための権利なのです。コンビニに行くと、いろんな会社の飲料がズラッと並んでいますよね?それを“いつも飲んでいるもの”や“自分の好きなのもの”を瞬時に見分けるための文字やマークなのです。別に私たち消費者は、自分の好きな飲み物をマーク(品名やロゴ)で認識できれば良くて、会社名までは知らなくてもいい。そういう“目印”になるのが「商標権」です。

 


#商標と創作を保護する権利の大きな違い


 「特許権」「実用新案権」「意匠権」の三つは創作を保護する権利といわれ、発明やデザインのアイデア自体に価値があるのが前提ですが、「商標」はこの三つとは少し異なり、「いい名前考えた、だから権利だ!価値がある!」という発想ではないんです。商標の場合は、いい名前かっこいい名前を考えたとて別に大した問題ではなく、それを使ってブランド化するということが重要なのです。


例えば、新しい飲料(緑茶)が発売された時、最初は名前に違和感を感じたり馴染みがないことはありませんか?でも、飲んでみて良いと思ったり、宣伝をみてかっこいいと思ったりして世間で評判が上がっていくと「おいしい緑茶の名前だよね」と認識されていき、名前の価値が上がっていきます。使われて初めて価値が出てくるのが商標なので、他の三つとはちょっと違うところです。


今回は以上です。あまりにも基本中の基本で、驚かれた方もいらっしゃるかもしれませんが、このペースでしばらく連載したいと思っております。「そしたらこんなことも知りたい!」などあれば私たちが代弁して、弊社のプロフェッショナルメンバーに質問いたします!お気軽にinfo@ip-robo.jpにてお問い合わせください。

 

 

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[取材協力]

中村祥二
Markstone知的財産事務所 弁理士

<関連リンク>
WEB       : https://www.markstone.jp/
BLOG     : https://brand-on-marks.com/
note     : https://note.com/markstone
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